日本の文化を語る上で欠かせない稲作とコメ。水田は、古来よりコメを作り続けてきた日本人の知恵が詰まった結晶と言えます。水田の役割は食・コメをつくるだけではありません。土地を洪水から守るほか、気温の調節や、大気の浄化、さらには人々に心の安らぎを与えるなど、多面的な機能を果たしています。水田の役割を一つ一つ見ていくと、コメを作ることで守られてきた事柄が浮かび上がってきます。

【洪水防止機能】大雨のとき、水田は一時的に雨を貯留し、排水路にゆっくり流すことで、下流の地域を洪水から守っています。

【水質浄化機能】水田では、微生物が水の中に含まれている有機物を分解し、さらに、作物がチッソを吸収するなどして、水が浄化されます。

【河川流況安定機能、地下水涵養機能】水田に降った雨等の一部は排水路を通じて川に戻ります。また、地下に浸透した水の一部は湧出して川に戻ったり、一部は地下水となり、一定の水量を保つ役割を担っています。

【気候緩和機能】水田には、水面からの蒸発と、稲の葉からの蒸散の効果で、気温の上昇を抑えるはたらきがあります。水田から吹く涼しい風は、天然クーラーの役割を果たしています。

【大気浄化機能】水田では、稲が光合成によって大気中の二酸化炭素を減らし、酸素を増やすだけでなく、大気汚染物質の亜硫酸ガス(SO2)や二酸化窒素(NO2)を吸収し、大気が浄化されます。

【保健休養(やすらぎ)機能】日本の田園風景を彩る水田には、心を癒し、落ち着いた気分にする癒しの機能があります。

【生物多様性保全機能】水田やその周辺の水路等がさまざまな生きもののすみかとなり、豊かな生態系が保たれています。