多種多様な植物性食材

健康で長生きは、人類共通の願いです。

2012年の日本人の平均寿命は、男女ともに前年より延び、女性は86.41歳、男性は79.94歳。女性は2011年に首位の座を譲ったものの、2012年は再び世界一に返り咲きました。男性も過去最高位の5位を獲得しています。

日本人の長寿の秘訣として、世界が注目するのが日本型食生活です。米を中心とする穀類を主食に、野菜と魚介類が脇を固めます。加えて、豆類、海藻類、きのこ類、いも類、種子類など、植物性の食材の多様さは特筆すべきといえましょう。

南北に長く、起伏に富んだ多様な風土を反映して、野菜の種類も豊富です。とりわけ注目したいのが伝統野菜。日本各地にその土地だけで栽培されてきた品種が多々あり、近年それらの価値が見直されるようになってきました。先鞭をつけたのは京都。今や京野菜としてブランド化されていますが、そのすばらしさは江戸時代初頭から広く認められていたようです。加賀野菜、江戸東京野菜、なにわの伝統野菜、庄内の在来野菜などブランド化されたもの以外にも、その町だけで、そのエリアだけで栽培し続けられている野菜は少なくありません。

干し椎茸、切り干し大根、ひじき、寒天、凍り豆腐など、野菜や海藻を乾物に加工して保存食として食べる知恵も見逃せません。わさび、山椒、紫蘇など和のハーブ類や、柚子、かぼす、すだちといった柑橘類も、料理にアクセントを付ける役割を果たしています。

アメリカ上院の栄養問題特別委員会が提出した1977年の「マクガバン報告」は、アメリカ人の食生活に警鐘を鳴らしたものでしたが、日本の食生活にも大きな影響を与える結果となりました。日本の食生活研究者たちがその報告書を見て、日本の食文化の卓越性を再認識することになったからです。そして1980年、それまでの欧米追随型の食生活から、伝統的な日本の食文化に根ざした「日本型食生活」を提唱するに至ります。

ライフスタイルの変化やグローバル化などさまざまな要因によって、日本型食生活も影響を受け続けているとはいえますが、2013年に「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことによって、改めて日本型食生活がクローズアップされていくに違いありません。

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